【淹れ方の前に】コーヒーの甘みとは?
コーヒーの主要な味わいは苦味と酸味ですが、いろいろなコーヒーを味わってみると確かに「甘み」を感じられるものもあります。
コーヒーの甘みの要因となるのは、主に以下の2つの成分だといわれます。
● フラノン類:糖類が加熱されて生じる香り成分。適度な焙煎度で感じられる。
● バリニン:コーヒー豆が本来持つ香り成分。深煎り豆にも多く含まれる。
コーヒーの味わいの出る順番
コーヒーの味わいは、以下のような順番で抽出されます。
① 酸味
② 甘み
③ 苦味
④ 雑味
つまり、甘みを引き出すにはバランス良く抽出する必要があるということです。
コーヒーの過抽出・未抽出
コーヒーの過抽出・未抽出とは、以下のように定義されます。
● 過抽出:コーヒーの成分を抽出し過ぎて、雑味などが出てしまう状態。
● 未抽出:コーヒーの成分の抽出が不十分で、味わいが引き出せていない状態。
浅煎り豆が未抽出の状態では、味わいが出ないだけではなく、生っぽい渋みや土のような風味が残ってしまうことがあるので注意が必要です。
コーヒーの甘みを抽出する淹れ方
コーヒーの甘みを抽出するには、バランスの良い抽出が必要です。以下の5つのポイントに気をつけて、甘みを最大限に引出しましょう。
適切なコーヒー豆の選び方
コーヒー豆は、焙煎したてのものを選びます。なぜなら、焙煎から時間が立つとコーヒー豆が劣化して酸っぱさ・渋み・エグ味などが出てきてしまうからです。
自家焙煎珈琲屋さんなどで注文後焙煎をしてもらうと安心です。
適切なお湯の温度
甘みを引き出すには、適切な温度のお湯を使います。なぜなら、温度が高いと過抽出気味に、温度が低いと未抽出気味になってしまうからです。
浅煎り豆では「92度」、中煎り豆では「85度」、深煎り豆では「80度」くらいを目安にすると良いでしょう。
適切なコーヒー豆の挽き具合
コーヒー豆の挽き具合にも気をつけます。なぜなら、コーヒー豆が細ければ成分が抽出されやすく、粗ければ成分が抽出されにくくなるからです。
浅煎り豆では「細挽き」、中煎り豆では「中細挽き」、深煎り豆では「中挽き」くらいの挽き具合がおすすめです。
適切なお湯の注ぎ方
お湯の注ぎ方も、甘みを引き出すためのポイントです。荒っぽくお湯を注げば、ドリッパーの中の粉がかき混ぜられて、成分が抽出されやすくなります。
深煎りの豆では苦味が出過ぎないように優しく、浅煎りの豆では甘みを引き出すために荒っぽく注いでください。
適切なコーヒーの抽出時間
抽出時間にも気をつけると、甘みを引き出しやすいです。抽出時間が長くなればなるほど成分が抽出されるので、苦味や渋味主体の味わいになります。
コーヒーの抽出時間は3分を目安に、味見をしながら調整すると良いでしょう。
甘みの強いコーヒー豆の種類
コーヒー豆の種類によっても、甘みが感じられやすいものと、そうでないものがあります。甘みの強いコーヒー豆の種類は以下のとおりです。
●ブラジル産:ナッツやチョコレートの甘み
●エチオピア産:柑橘系のジューシーな甘み
●インドネシア産:コクのあるまろやかな甘み
それぞれのコーヒー豆の味わいについては、以下の記事で解説しています。
こちらも合わせてご覧ください。
◇ブラジル産「ギーマ農園イエローブルボン」焙煎レビュー
◇エチオピア産「モカクイーン」自家焙煎レビュー
◇インドネシア生豆マンデリン・セブンステラ焙煎レビュー
◇インドネシア産「コピ・ルアック」自家焙煎レビュー
◇インドネシア産「コモドドラゴン」自家焙煎レビュー
苦味・酸味の少ないコーヒーの淹れ方
苦味・酸味が強く出てしまうという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
◇苦味を抑える淹れ方:コーヒーのおいしい酸味を引き出す淹れ方
◇酸味を抑える淹れ方:苦いコーヒーが好きな方におすすめの淹れ方
今野直倫
放浪のバリスタ兼WEBライター。
JSFCAコーヒーソムリエ・食品衛生責任者・飲食営業許可取得。
全国各地でカフェを開催。
自家焙煎のコーヒーを焼きたて、挽きたて、淹れたてにこだわって、
お客さんの目の前で一杯一杯ハンドドリップ抽出。
コーヒーの知見を活かしてWEBライターとしても活動中。
自家焙煎やお家カフェの楽しみ方や、役に立つコーヒーの知識をお届けします。