そもそも焙煎におけるハゼとは
「ハゼ」は、コーヒーの焙煎に興味をもって初めて聞く言葉だと思います。ハゼとは一体どういう意味なのでしょうか。
コーヒーのハゼとは漢字にすると「爆ぜ」と書きます。名前の通りコーヒー豆が爆発することを意味します。
ハゼが起こるとコーヒー豆はどうなるのか
ハゼが起こると1回目はパチパチと音が鳴り、2回目にはチリチリとした音がします。コーヒー豆が熱により膨張したり収縮したりすることでこのような音が鳴ります。
ハゼは焙煎する上で必要なのか
コーヒーを焙煎する上でハゼは必要なのでしょうか。焙煎する度合いにもよりますが基本的には必要であると思って間違いないです。
好みの焙煎度合いにするために、ハゼを基準にして焙煎を進めていくことが多いです。ハゼがわからないと、安定してコーヒーを焙煎することができません。
焙煎における1ハゼと2ハゼについて
焙煎においてハゼが起きるタイミングが2回あります。1回目と2回目ではコーヒー豆の変化の仕方が異なります。
1ハゼとは
1ハゼでは、焙煎によって生豆の水分が水蒸気となり、コーヒー豆が膨張します。生豆の細胞を押し広げることによって、音が発生するのです。
1ハゼが終わる辺りまでで焙煎をやめると、苦味やコクよりも酸味のほうが少し強めに出てきます。
2ハゼとは
2ハゼでは、加熱により二酸化炭素の量が増えて、豆の細胞を押し広げます。コーヒー豆が膨張し組織を壊すことで音が発生するのです。
2ハゼが始まる辺りから、コクや苦味が少しずつ出てきます。
ハゼを起こさない場合とは?
ハゼをあえて起こさない場合としては、浅煎りのコーヒー豆を焙煎するときが挙げられます。ハゼが起こる前に焙煎を止めるため、ハゼを起こさない焙煎となります。
焙煎でコーヒー豆がハゼない?正しい焙煎の方法
では、焙煎でコーヒー豆がハゼないのはどのようなときでしょうか。
焙煎の工程には蒸らしという工程があります。これは、生豆に含まれる水分を抜いていく工程になります。ここで水分を抜ききることができないと、ハゼが起きず生焼けのコーヒーができてしまいます。
蒸らしが終わった後には、ロースティングと言われる工程があります。水分が抜けきったコーヒー豆をしっかりとした火力によって焙煎していきます。ここで温度が低くなってしまうと、同じように生焼けなコーヒーができあがります。
ハゼない以外に焙煎で注意するポイント
ハゼない以外にも、焙煎をしていく上で注意するポイントがいくつかあります。ポイントを押さえておくことで安定した焙煎をすることができますよ。
火力を強くしすぎない
先ほど、焙煎の工程について紹介しましたが、火力を常に強くしておけばよいということではありません。
強いままで焙煎をすると、生豆の中の水分が抜けきる前に表面が焦げてしまいます。その場合、焦げているのに生焼けの味がしてしまうので火力の調整には気をつけましょう。
長時間焙煎をしすぎない
長時間焙煎をしてしまうと、コーヒー本来の風味が全くなくなってしまいます。
そのためハゼがしっかり起こっていたとしても、焙煎時間が長くなりすぎないようにしましょう。目安としては20分は超えないようにするのがよいです。
ハンドピックを行う
最後にハンドピックです。焙煎する前と焙煎した後のどちらも行うと、よりコーヒーがおいしくなります。
焙煎前には欠点豆と呼ばれるコーヒー豆を取り除き、焙煎後には、うまくハゼなかったコーヒー豆や不揃いなコーヒー豆を取り除くと、雑味が減りよりおいしいコーヒーを飲むことができます。
ハゼさせておいしいコーヒーを焙煎しよう
焙煎を行う上でハゼを起こすことは、極端な焙煎をする以外では確実に必要になってきます。ハゼを意識することで焙煎度合いの調整や自分好みの味にコントロールできます。
ハゼないこと以外にも、焙煎で失敗するポイントを押さえることでよりおいしいコーヒーを焙煎することができますよ。
ハゼの特徴を理解して、コーヒー豆をより楽しく焙煎しましょう。
今野直倫
放浪のバリスタ兼WEBライター。
JSFCAコーヒーソムリエ・食品衛生責任者・飲食営業許可取得。
全国各地でカフェを開催。
自家焙煎のコーヒーを焼きたて、挽きたて、淹れたてにこだわって、
お客さんの目の前で一杯一杯ハンドドリップ抽出。
コーヒーの知見を活かしてWEBライターとしても活動中。
自家焙煎やお家カフェの楽しみ方や、役に立つコーヒーの知識をお届けします。