コーヒー豆のテカテカした油の正体とは?
コーヒー豆の表面に浮いてくるテカテカした油の正体は、コーヒー豆に元々含まれている油分で俗に「コーヒーオイル」とも呼ばれるものです。
コーヒー豆は豆といっても実際はコーヒーノキという植物の「種子」であり、含まれている油は芽を出して成長するための大切な栄養分になります。
例えば、「ごま油」もごまの種から取れる油であり、種子が油を持っていることは自然なことなのです。
つまり、コーヒーのテカテカした油も体に悪い化学物質というわけではなく、植物が本来持っている自然の油なので安心してください。
コーヒーオイルが豆の表面に出てくる理由
では、どうしてコーヒー豆の中に含まれているコーヒーオイルが表面に浮いて出てくるのでしょうか?
これには焙煎という過程が大きくかかわっています。
焙煎をするとコーヒー豆の繊維質に熱を通すことになるので、繊維質がもろくなりコーヒー豆の細胞壁が壊れてコーヒーオイルが浸み出してくるのです。
浅煎りのコーヒー豆より深煎りコーヒー豆の方がより長い時間火を通していることになるので、表面にコーヒーオイルが浮きやすくなります。
コーヒーオイルは味にどう影響するの?
コーヒーオイルが浮いているのを見て心配なのは、コーヒーの味わいでしょう。
実際、コーヒーオイルに関してよくいわれるのが「油が浮いているのはコーヒーが古い証拠」ということです。
この点について、コーヒーオイルが味に与える影響と効果を説明します。
「油が浮いているのはコーヒー豆が古い証拠」はウソ
「油が浮いているのはコーヒー豆が古い証拠」というのは、半分本当ですが半分はウソです。
上でも説明したように、コーヒー豆は深煎りにすると表面に油が浮きやすくなるので、焙煎したてでもテカテカになっていることがあります。
つまり焙煎したてのコーヒー豆であれば油が浮いていても全く味に影響はなく、問題がないということです。
同じ品種で同じ条件で焙煎した豆同士を比べる際には参考になりますが、それ以外の場合には古いかどうかの基準にはなりにくいといえるでしょう。
抽出したコーヒーオイルの効果
このコーヒー液に含まれるコーヒーオイルには、口当たりをまろやかにしたり、コクを感じやすくしたりする効果があります。
ただ、一般的な抽出方法であるペーパードリップは目が細かいので、ほとんどコーヒーオイルは濾しとられてしまいます。
一方で、金属フィルターやネルの場合はフィルターの目が粗いので、コーヒーオイルがしっかり抽出されるのです。
コーヒーオイルの味わいを楽しみたい場合は、ネルドリップやフレンチプレスなどを使ってコーヒーを淹れてみましょう。
まとめ:コーヒー豆のテカテカした油は気にしなくて良い
今回は、コーヒー豆のテカテカした油とはいったい何なのか、コーヒー豆にどういった影響があるのかを解説してきました。
本記事の要点は、以下の通りです。
コーヒー豆のテカテカした油の正体は、コーヒー豆に元々含まれている油分
コーヒーオイルが豆の表面に出てくるのは、焙煎により繊維質がもろくなりコーヒー豆の細胞壁が壊れるから
コーヒーオイルには、口当たりをまろやかにしたりコクを感じやすくしたりする効果がある
この記事を参考にして、コーヒー豆のテカテカした油に対して理解を深めて、安心してコーヒーを楽しんでくださいね。
今野直倫
放浪のバリスタ兼WEBライター。
JSFCAコーヒーソムリエ・食品衛生責任者・飲食営業許可取得。
全国各地でカフェを開催。
自家焙煎のコーヒーを焼きたて、挽きたて、淹れたてにこだわって、
お客さんの目の前で一杯一杯ハンドドリップ抽出。
コーヒーの知見を活かしてWEBライターとしても活動中。
自家焙煎やお家カフェの楽しみ方や、役に立つコーヒーの知識をお届けします。